ユニコーンは額にらせん状の角を持った馬。神話ではなく、古典文学や旧約聖書に登場する伝説上の生き物。
スコットランド王家の象徴であり、イギリスの正式な国章にもユニコーンが描かれている。
ユニコーンは元々、ヤギのあごひげ、馬の胴体、ライオンの尾を持ち、額の中央から1mくらいの黒い角を生やした生き物とされていた。
しかし、フランスの小説家のフローベルが『聖アントワーヌの誘惑』の第7章の中で、一本の角を持つ美しい白馬としてユニコーンを登場させたことから、その姿が現代の一般的なイメージとなっている。
ユニコーンの特徴である1本角は、水を浄化して、病気を治すという力があるという伝承があったため、非常に価値あるものとして重宝されていた。そのためユニコーンは水や薬のシンボルとされ、薬局のマークとして使われるようになった。ドイツでは現在でも薬局の屋根の上にユニコーンの標識があることがある。
見た目はとても優雅であるが、実はとても荒く乱暴な生き物。そんなユニコーンは純潔の女の子を好み、懐に抱かれることで大人しくなると言われている。
中世の人々はユニコーンを真剣におびき出すために、純潔の女の子を森へ連れていく伝承があった。ただし純潔を偽ると、ユニコーンに殺されてしまう。そんなユニコーンに対して、キリスト教の七つの大罪の「憤怒」の象徴にもなった。
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